犬飼 英吉
我々は、新制大学第1回の卒業生です。卒業以来、毎年欠かさず同窓会(一期会)を開いています。現在40名中28名が何とか健在。入学者は、新制高校卒業者と、八高、名工専、愛工専、岡崎高師等の旧制高等専門学校からの転入者、軍隊から復員組の混成でした。入学時、御器所本部校舎は木造バラック建築で一部復興、一部建築中でした。一年生は、古出来町にあった旧愛工専の校舎(陸軍千種造兵廠の倉庫改造)で教養学科目を受講。二年生からは御器所の本部校舎、のちに戦災で焼けただれた電気科本館の内部だけ簡易改装した教室(当時、名工大唯一の鉄筋コンクリート校舎)で専門学科目を受講した。当時、教育環境は劣悪であり、全学自治会を立ち上げ、大学当局に教授陣、教育施設に対して改善を申し入れた事を思い出す。卒業時の昭和28年は、不況の最中、新旧大学※が同時に卒業生を出したので、大変な就職難でした。(翌年からは、朝鮮戦争の特需景気で日本の経済は一変、好景気になった)
旧教育制度は6・5・3・3制であるが、新教育制度は6・3・3・4制と1年短いため、旧制大学の最終卒業生と新制大学の最初の卒業生が同時に世の中へ出た。
私は幸いにも中部電力に就職でき、高度経済成長期の電源開発の華やかな時代に、伊勢湾岸すべての火力発電所の建設に従事した。その後、総合技術研究所でエネルギー・電力新技術の研究開発に携わった。定年近くに(財)ファインセラミックスセンターの創設のため中部経済連合会へ出向。同センター試験研究所副所長を経て、名工大客員教授として、「セラミック超電導体」について共同研究した。現在、名工大産学官連携センター顧問。(財)エネルギー環境教育情報センター、(財)日本原子力文化振興財団の講師として、エネルギー・原子力発電・地球環境問題等に関して、全国各地で講演。今後もお呼びがあれば、体力の許す限り講演活動を続けたいと思っております。
工学博士(名古屋大学)、技術士、電気学会から電気学術振興賞論文賞受賞
電気学会論文委員、通産省工技院大型省エネルギー技術研究推進会議委員、電力中央研究所新技術検討委員会主査、原子力用次世代機器開発研究所運営委員・技術委員、NEDO超電導技術開発委員会委員、超電導発電機器・材料技術研究組合運営委員・技術委員、MCFC燃料電池発電システム研究組合技術委員会委員等を歴任。
著書◆「エネルギーと地球環境」丸善、◆「くらしと地球環境」丸善、◆「現代エネルギー・環境論」電力新報社(分担執筆)、◆「21世紀日本のエネルギーは大丈夫か」ダイヤモンド社(分担執筆)等
趣味は油絵。光風会、日展に入選。
最終更新 : 2008年11月28日 (金) 13:00:00